タイトル通りです。C→B強め。
何人目かの「専門医」の一人。
彼は声が小さく、少しだけ疲れたようにため息がちに話す男で、僕は月に一度、彼と過ごす時間が苦痛でたまらなかった。自分が病気ではない、というのは頭で理解していたが、結局頼るのは医者、なのだ。
十一歳になる、少しぐらい前からだったろうか。今でこそ理解できるが、第二次性徴に伴う環境や生活、ルールの変化を念入りに教えられた。数人のソーシャルワーカーや、カウンセラーも僕の問題に熱心に当たってくれたが、おそらくは厳格に見える父に理由があったのだろうと思う。
フランスから、ドイツのカイザースラウテルンへ引っ越して一月ぐらいが経っていた頃、新しく紹介されたのがこの医師だった。
「君は、少し……多くを早くに諦めているね」
僕はその言葉に返事が出来なかった。彼こそが「あきらめの塊」のように見えていたからだ。僕は父の言う様々な訓練を重ね、一応のところ毎日学校に通うことが出来ていた。
完璧とは言えなかったとしても。
「……君にも恋は出来るんだよ」
そして、不意にこんな話題を出された意味がわからなかった。
「僕には……わかりません」
その言葉の意味は知っている。それが永遠に続くものでもないことも、良いことばかりではないことも。
だけれど、その気持ちが自分に宿る日が来ると考えたことはなかった。
「今すぐの話ではなくて」
医師はカルテをデスクに置いて、僕の方を見た。僕は目を伏せたまま、彼のくたびれたよれよれのジーンズの膝あたりを見つめた。
「触れたい、……もしくは触れられたい。大事にしたい、して欲しい気持ちが……何を意識したわけでもないのに……」
すうっとたった一人に向けられる。まるで光がそこにだけ差し込んでいるかのように。
「世界にその人しか見えないぐらいになる人もいる」
「……でも、永遠じゃない……」
僕の頭の中には、母を最後に見た日の記憶が蘇る。きっと母もそんな気持ちを父に抱いていたはずなのだ。
僕が、それを、駄目にしてしまった。それは間違いのないことだと、もうずっと考えている。弟に一度話したら、見たことがないぐらいに激怒して、二度とそんなことを考えるなと強く言われた。
弟はいつも、僕を正しい存在だと言ってくれる。強い視線でこちらを見る時に受け止められたらと思いながら、上手くできない僕はせめて言葉だけは受け止めたいと思っているのだけれど、あまりにもその言葉がいつも僕にばかり都合がよくて、途惑ってしまうのだ。
今日のこの話をしたら、何て言うだろうか。
恋をするのが正しいことだと、言ってくれるだろうか?
「ああ、そうだな。それでも、お互いが同じ気持ちになった時は、最高に幸せなんだぞ?」
それが一日でも。
一ヶ月でも、一年でも。
永遠だっていい。
それが、恋の成就だと彼は言った。
「……僕には、わからない」
「そうかな?」
医師はそう一言だけ呟くように言うと、まずはもっと自分を好きになりなさい、とため息交じりの声で続けた。こういう台詞はもう少し力強く語られるはずの言葉だと思った。
学校の教師がよく腕を組んだ格好で、上の方から言い放つ。
僕は首を横に振ることも出来ずに、体を小さく丸めるだけだったけれど、今日は小さくだけれど頷くことができた。
医師はその様子に、少しだけ表情を和ませた。カルテには触れず、後は僕の話を二十分ほど聞いてくれた。
僕は数字の話をし続けた。
それからいつものように弟の話をした。弟が昨日の帰り道転んで膝をすりむいてしまったこと。泣きべそをごまかそうとして、ずっと顔を俯けてしまっていたこと。
そんな傷、訓練の時の方がずっと痛いと僕は言った。
そうすると、彼はおきにいりのジーンズが破れたことが悲しかったと言ったのだ。
それは僕のはいていたお下がりで、新しいものでも何でもなかったのに。
「君のはいてたものに憧れていたんじゃないのかな?」
医師はそう言って少しだけ笑った。僕はその言葉の意味がわからなかったが、廊下で大人しく待っているだろう弟のことを考えた。
静かに、まるで大人のような顔をして、じっと待っていてくれる。扉を開けるとにっこり笑って出迎えてくれる。そして僕が声を出して何かを言ってからはじめて、彼も声を出す。
いつだって僕の行動が最優先だ。
そんな彼が泣いてしまったのに、僕は何も出来なかった。
「僕はどうしたら……?」
「そうだな……、君の大切なものを一つわけてあげたらどうかな?」
大切なもの。
一番大切なものは、弟のブラクストンだ。だから、これを分けることはできない。
パズルは全部組み立ててしまった。
分けられるものが何もない。
僕はそう思ったが、それを口にしたいとは思えず、唇をむっつり閉じてしまった。
「すぐに決めなくていいんだよ……」
医師はそう言って、時間はたっぷりあるんだ、と言って小さく笑った。
すぐに決定を迫る父とは考え方がまるで違うようだ。僕はそれでも何を口にすればいいかわからないまま、残りの時間を黙って過ごすことになった。
医師はいつものようにため息をこぼし、いつか伝わるといいんだけどな、とぽつりと呟いた。
「久しぶり」
そう言ってはにかむように笑うブラクストンに僕は「やあ、ブラクストン」といつもの挨拶をして、彼を家の中に招き入れた。
再会後、週に一度はどこかで会って話すようにしているが、ようやく住居としての居場所が落ち着いたので、初めて彼を呼ぶことにした。そのことをブラクストンは喜び、電話越しでもわかるぐらいの大はしゃぎだったものだから、つい僕は言ってしまった。
「……引っ越してきてもかまわない」
しかし、ブラクストンはこれに大笑いをして、何言ってるんだよ、と言ったのだ。考えてもいなかったかのように。だからこの話は立ち消えになり、僕は少しだけ重たい気持ちになってしまった。
僕はきっと間違えてしまったのだ」
「へえ、さすが兄貴だな……完璧な間取りだ」
カメラとか、死角の少なさだとかを褒めた後、ブラクストンはにっこり笑って、会いたかった、と言ってくれた。
会いたいと思ってくれているのに。
彼は一緒に住むということは考えてもいなかった。
「……考えてある」
「だろうな」
ソファに座っても?ジェスチャーがそう言っていたので、僕は頷く。
「テレビはないんだな」
「おまえが必要だと思うなら、買う」
語尾にかぶせるように言ってしまったのは、もしかしたらブラクストンにとって快適な環境になれば考え直してくれるかもしれないと思ったからかもしれない。
軽い混乱が頭の中に居座っているような状況に、僕は少し心拍数を上げてしまう。
「ふふっ、こないだからどうしたんだ?兄貴」
「何がだ」
「俺に気を遣うなよ」
気を遣っているわけではない。
そう反論しそうになって、ぐっと言葉を飲み込んだ。
不意に蘇ってきた、少年時代の思い出に言葉を失ってしまった、と言う方が正しいかもしれない。
瞬きをゆっくり、三回ほど。
そう言えば、そうだったと今更ながらに気付かされた。
「俺はどんな環境でも暮らせるんだ。知ってるだろう?」
「あ、ああ……」
「だよな、全部見てたんだから」
肩をすくめたブラクストンがソファに座り、コーヒーが飲みたい!と言うので、僕はキッチンに向かう。昨日、有名店だというところに車を走らせ三十分以上悩んでようやく買った豆でコーヒーを入れるつもりだ。
練習を繰り返したので、上手く淹れられるとは思う。
「すまない、ブラクストン」
「それも、もういいから」
僕は、ようやく思い至った。
あの頃から、僕はそうだったんだ。校庭を走り回るたくさんの少年達の中でいつだってすぐにブラクストンを見つけることが出来た。探す必要などなかった、彼のところに光が降り注いでいるように見えていたからだ。
軍人になったばかりの頃、皆が同じ髪型、同じ格好で訓練している時だって、そうだった。
そして、人に不意に触れられることが苦手な僕が、触れられてもかまわないと思えた相手も、また、ブラクストンだけだった。大事に想って、守りたいと願う気持ちも、そうだ。
あの日、医師が言っていた通りの何もかもがブラクストンの方を向いていた。
つまり、僕はあの頃からずっと。
ブラクストンに恋をしていたのか。
「あー、いい香りだな!」
しかし、彼はただ一人。
僕に触れてこようとしない人間なのだ。訓練の時の組み手とこの間のアクシデント以外、記憶にないぐらい。傍にはいてくれた、僕の望み通りに動いてくれようとする。
僕は人に触れられるのが苦手だ。
だから、ブラクストンはけして僕に触れないのだ。
「……」
こういう時、何と言って差し出して良いかわからず、僕はローテーブルの上に淹れ立てのコーヒーのマグカップを置いた。
「無言かよ、極端だな」
しかし、ブラクストンは嬉しそうに笑ってすぐにコーヒーに口をつけてくれた。
「んーーーまい!すごいな、こんなコーヒー久しぶりに飲んだ気がする。俺の好みど真ん中!」
美味しい、と繰り返しブラクストンはこちらに笑いかけてくれる。
とても、僕はそれが嬉しくて。
とても、胸が苦しい。
彼はこんなにも僕と一緒にいて楽しそうにしてくれるのに、僕との距離を確実に正確に作ろうとするのだ。僕がそれを望んでいると思いこんで。
「よかった……」
「どうした?」
小さな声が震えてしまった声にすぐに気がついたブラクストンはマグを置いて、すぐにこちらを振り返った。僕はソファの隣で立ち尽くした格好だったが、彼も立ち上がり、下から僕の顔を見上げて心配そうに眉を寄せる。
「俺が何かしたか?」
「違う……」
「……本当に?嘘はやめろよ?俺も十年以上のブランクがあるんだ、上手く出来ないところがあったら言ってくれ」
両の手の平をこちらに向けて、服従するようなポーズを取る必要など、どこにもない。
「僕はもう……」
「ん?」
「そんな格好をしなくていい、僕は……僕はもう……おまえに銃を向けたりしない……」
「んん?」
ブラクストンは僕を恐れているのだろうか?
僕にいつかまた殺されるとでも思って僕の言う通りに従おうとしているのだろうか。
「ち、違うって!」
僕はただ、おまえに触れて。
一番大切な存在だと、伝えたいだけなのに。
ようやく気がついた、この遅れを取り戻すのが無理だとしても、ブラクストンにとって厄介者のままでいるのは嫌だ、そう思っているのに伝えられない。
あの医師は言っていた。カウンセラーもみんな言っていた。
お互いが同じように想い合ってこその関係だと。
それが、恋の成就だと。
それは、ブラクストンの無私の献身とは違うのだ。
「あー、ごめんな、兄貴……えっと、何て言うのがいいのかな……」
「ブラクストン……」
「ん?」
「僕は、おまえに……会いたかった……」
ブラクストンは僕のすべてを封じ込めたような言葉に一瞬顔をしかめて、それから大きなため息をついた。
「本当に言いたいことだけ言えよ」
そして、そう言ってから、肩の力を抜いてくれた。
「とりあえず、コーヒー飲ませて。本当に美味いから」
「……練習した」
「俺のために」
「ああ」
そうなんだ、とブラクストンはにっこり笑ってくれた。そして僕もソファに座るように促した。僕はそれに従い、端に腰を下ろす。
「真ん中が好きだろ?」
「ああ」
「座れよ」
「……ああ」
また、ブラクストンは僕を優先し、端に座り直してしまった。
「話を聞く前に言っとくけど」
コーヒーを一口飲んで、んまい、とまた顔をほころばせてからブラクストンは目を細めてこちらを見た。
「俺はもう兄貴を怖がってなんかないし、別に奴隷になったつもりでも何でもないからな?昔から、俺が、俺の意志で兄貴の傍にいるだけだ。これからもそうありたいと思っている」
わかるだろ?
わかんねえの?
「それは、俺が兄貴を愛してるからだ。これは誰にも負けねえし、誰にも否定されたくない。いいな?」
「……ああ」
ブラクストンは僕の欲しい言葉のほとんどをすらすらと、淀みなく、まるで歌のように伸びやかに言い放つ。
でも、それでも。
僕は気がついてしまったんだ。
「でも……」
「でも?」
ブラクストンの眉間に少し皺が寄る。否定されたくない、と前提したからだろう。
違うんだ、僕は否定したいわけではない。
「僕は……ブラクストン、おまえに……ずっと……」
ブラクストンはまた一口コーヒーを飲み、それからマグカップをもう一度テーブルの上に戻した。
「……僕はおまえに恋をしていた……」
僕は、ブラクストンの反応を見るのが怖くて完全に顔を下に向けた。
「僕は、おまえに……触れてもいいと、触れたいと……ずっと思っていた……」
できれば、触れて欲しいとも。
僕はそこまでを口にしてから、奥歯をぐっと噛み占め言葉を殺した。
これ以上は、間抜けな言い分や、またブラクストンに無私を強いてしまいそうで、怖かったからだ。
「……過去形かよ」
ちっ、と舌打ちをしたブラクストンは大きなため息をついた。
過去形?
「で、それで?今は誰に恋してるんだ?あの女の子か?」
「……ブラクストン?」
苛立った声に思わず顔を上げると、ブラクストンはまた立ち上がり、僕との距離を取ってしまった。
「俺に何をしろって?仲を取り持って欲しいって?兄貴の取扱い方を伝授しろって?」
「ブラクストン、おまえが何を言っているのかわからない」
「初恋は実らねえって言うもんな、知ってた。知ってたさ!」
彼はあの日、ラマ-のところで見せたのと同じような状態になり、頭を抱えて悪態を繰り返す。そして、どんどん僕から遠ざかろうとする。
「俺は、居場所がわかって、こうしてたまに会うことができればいいと思ってたんだよ。そのぐらい許してくれよ!」
「ブラクストン!」
僕も後を追うように立ち上がり、彼に近づいた。
「僕は今もおまえに恋をしている……!」
そして、強く彼の両の二の腕を掴んだ。
「でも、これは……僕だけの気持ちでは……叶わないことだと習った……」
だから、僕は。
おまえの自由を願っている。
「……………………はあ?」
ブラクストンは長い沈黙の後、呆れ返った声を上げた。
僕はこの相づちが好きではない。
「ブラクストン、僕は……おまえを愛していると、言った……でも……」
「でもじゃねえよ」
「……すまない」
はあああー……と、長いため息をついたブラクストンは「痛い」と言うので、僕は手の力を緩める。本当はもっと優しく触れたかった。
「触っても平気なのか?」
「わからないが、触れて欲しい……おまえだけが僕に触れようとしなかった……」
「嫌がることわかってて誰がするかよ」
「……そうだな、すまない」
「今度謝ったら一発撃つからな」
ぐ、と言葉を詰まらせた僕にブラクストンはもう一度舌打ちをして、それから「緊張するな」と言って笑った。
「緊張……?」
「どこから触ってやろうかと思って」
にやり、と片頬を上げて笑ったブラクストンは、ぺろりと唇を舐め、それから「愛してるよ、兄貴」と続けた。
「さっきも言った通り、全部俺の意志だからな?自由がないなんて思ったことなんてない。謝ったら撃つぞ?俺がつらかったのはあの十年、それだけだ。いいな?」
「……わかった」
撃たれてもいいから謝った方が良いと思ったが僕はしっかりと頷くに留めた。
「よし」
「それで、俺の話聞いてた?」
「あ、ああ」
「何て言った?」
「初恋は実らない……」
そこかよ!とブラクストンは大笑いをして、まあ、そうだな、気になるよなと言って僕の頬を挟むように両の手の平をそっと押し当てた。
暖かい手だと思った。
僕はそこからじんわりと伝わってくるぬくもりが、全身に広がってくるような感覚を覚え、思わず口を開いてしまう。驚きと、とてつもない多幸感に、何かを言わねばと思うのに言葉が出てこない。
「俺達は色々と例外だから、そのジンクスもなかったことに出来るだろ?」
俺の初恋も兄貴だよ、と言ってブラクストンは目を細め、もう一度、唇を舐めた。
こういう時、NTならどうするのか僕は知っていた。
七秒、見つめ合えばキスだ。そういう統計が雑誌に書いてあった気がする。
コスモポリタンなんか読むのかよ、兄貴とブラクストンなら笑うかもしれない。僕は、そういうところから人との関わり方を学びたかったんだ。
「キスをしてもいいか、ブラクストン」
ブラクストンはぱっと頬を赤く染めて、聞いちゃうのかよ、と目元をくしゃくしゃにして笑った。
「してくれよ、俺はもう天国にいる気分だ」
「だめだ、天国になんかいかせない」
「言葉のあやだよ、兄貴。……最高に幸せってこと……」
僕はその言葉なら、わかると呟いた後、ゆっくりと唇をブラクストンのそれに重ねた。二、三度、押し当てるようにした後、顔を引く。
「あー、まー……これからじっくり練習だな」
「すまな……」
「撃つって言ったろ」
「あ、ああ」
謝るかわりに僕もとても幸せな気持ちだ、と伝えるとブラクストンは俺もだよ、と笑った。ただ、キスの練習は必要だと続けた。
「あ、ちょっとむっとしてる」
「僕は初めてのキスだった」
「ははは」
「笑うな」
「……へへ」
ブラクストンはNTで魅力的な男だ。初めての筈がないというのは頭では理解している。それに、僕は彼の自由を望んでいた。
理論としては破綻していないのに、機嫌は悪くなる。
これが、恋の成就と言うなら、少しばかり不自由だ。それでも、僕はこの状況を嬉しく思った。
「なあ、兄貴。やっぱり、テレビ買おうぜ?」
彼の手がいつの間にか、僕の腰のあたりに回っていた。僕はそれに習い、同じようにして見せると、ブラクストンは嬉しそうに喉を鳴らした。
「ああ、そうしよう」
「引っ越しはいつにする?」
「いつでも。今日でもいい」
「……ははは、そういう兄貴も好きだな」
そう言って、今度はブラクストンの方からキスをくれた。頬と、それから顎先に。
「愛してるよ、兄貴」
「……キスは一日一回か?」
「ったく……もう、最高だな兄貴は……!」
僕はふざけたつもりはないのだけれど、あまりにブラクストンが嬉しそうに笑うので、これでいいと思った。
あれだけ触れたいと願った相手が腕の中にいるのだ。
こんな幸福なことはない、と思った。かつての医師が言いたかったことが少しだけわかった気がする。諦めすぎるなと言ったのは、この幸せを知るためだったのだ。
僕は本当に幸せだと思った。
いや、過去形にするとまたブラクストンが怒るので、幸せだ、と言う。
幸せだ、ブラクストン。
おまえがいてくれるから。
「コーヒーもう一杯淹れてくれる?」
「ああ」
「今度は兄貴の分も。一緒に飲もう?」
「そうしよう」
コーヒーを飲みながら引っ越しの話をしようと続けると、ブラクストンは大きく頷いてくれた。
僕は、本当に幸せものだ。
この気持ちをもっと上手にブラクストンに伝えたいと思った。
心から。
愛しているということとともに。
————————
何を書きたかったのか途中で見失ったので
いちゃいちゃさせました!