◆スタンドアップ◆

Genre:実話:北国:豆どころの騒ぎじゃない
ネタバレ全開。

すいません、もう駄目です、先生。
僕、号泣でした。
ハンカチもぐしょ濡れで、本の表紙ふにゃふにゃになってたよ、帰ったら。
えーん。
いらちゃんと「ザ・フィールド」に次ぐ「豆どこじゃなーい」と叫ばずにはいられない作品でした……。ふひー。

●映画的レビュー●
萌えゲージ満タンで望んだのですが、私……女の子が殴られるシーンってのが本当に駄目で、ついでに言うとしぇくはらプチ経験者だったり(まあ、誰もが通る道でしょうが)、ロッカールームにプチトラウマがあるもんだから(開けるの恐いのよぅ!)、相当グロッキーでしたー(汗)もうね……セロンちゃんが殴られたりするのが映画だとわかっていても、つらくて、つらくて。うぉーー、ドリアン・グレイ、助けてやれよ!(とんだ言いがかり)と思っちゃうくらいに、つらかったです。余計なお世話かもだけど、駄目なのーーぅ。
モンスターの時も私、でんぐり返ししそうになったもんな……(真弓の動揺沈着方法)。
ふう…。でもセロンちゃんは目力ですごく説得させてくれるなあ、と感心しました。ママの目、女の子の目、そして娘の目、ひとりぼっちの目、と表情が違って胸に響きます。

さて、アメリカの映画のパターンの中の一つに「郊外モノ」というのがあるそうなんです。郊外の閉鎖空間の中での人間関係を軸に書くお話のことを言うそうなのですが、人が死ぬお話も多いんです(サスペンスね)。でもこれは完全に焦点は人間関係。モチーフとして、教会の行事が多く出るのも特徴的です。
さて、ジョージーなのですが、まずは暴力夫から逃げ出して子供を連れて実家に帰る。冷たい父親、父親の違う息子と娘、近所の冷たい目、と色々な難関にはなっからぶつかります。助けを求めてやってきたところを拒絶よりももしかするとつらいかもしれない無関心にさらされ、心が固くなるのが表情に出てます。
んだ、このオヤジ!と切れていたのですが(キレやすい)、それはこれ、後の展開につながるのですな。
偶然再会した旧友(たぶん肝っ玉母さん的先輩だったんでしょうね。近所の)に誘われるがまま、自立のために炭坑で働くことになるわけですが、またこれが……すごいな、という職場。
私も工場にツナギ着て通ってた時期があるのですが、ポジションはボビー・シャープ側、だったので全然違います。でもまあ、指示を出す側としても本当に気を遣い、職人さんとして実際働く人には腕、があるわけですから、それを目一杯生かしていただくように、毎日頭をひねっておりました。
が、ここにはそういうのはないようです。イギリスの炭坑、のイメージよりも馬鹿でかいミネソタの炭坑。一応女も同様に雇わなきゃいけないという法律ができたし、雇って見てはいいけど、全体的に失業者も多く「女の面倒を見てる場合じゃない」という苛々が募っている……。もうちょっといきなりセクハラ、よりも男側の暗部、も見せてくれてもよかったかな、というのは思いました。なんていうんでしょう、テーマがジェンダーなら、ということですが、一方的な被害者という書き方よりは……そのほうが伝わるのかな、って。
でも、どうやらちょっと違うみたいでした。もう、酷いよ、あいつ!(まともにレビュー書けなくなってる)

と、いうわけで、好きなシーンをピックアップ。
<親子愛>
・ジョージーとサミー。難しい年頃でなおかつはぶられたり、嫌がらせを相当受けていただろうに、あの決定的な瞬間まではずっと黙っていたサミーは「母さんなんて大嫌い」と言いつつもはっきい「おまえのせいだ」とも言わず、反抗的な態度の中で耐えてたと思います。医者になりたい、というのもきっと苦労しているママのため、ってのもあると思うんです。でもママには家にいて欲しいというまだ幼い甘えもあって、本当にかわいかった。きっと怪我もしただろうし、それを見ると息子としてはつらいもんね。さらに自分はレイピストとの間の子だと知らされて、それでも戻ってくる強さ。きっとママを守ってあげられる、強くていい男になると思います!
・おやっさんとジョージー。んだ、この頑固オヤジ!とキレかけていたのですが、土地柄、時代、年齢的にも「仕方がない」というのも頭のどこかではわかっていました。そういう生き方しかしてきてないのです。だから、しょうがない。でもその態度にも理由があって、サミーが出来た時に「誰の子かわからない」とジョージーが言ったからなんですよね。身持ちの悪い娘に腹を立て、体裁は悪いし、きっと娘には幸せになってもらいたかったっていうのがあるはずだし、葛藤があったんでしょう。しかしその事情をふまえて、彼女の味方になっていく過程はじんときました。落書きを消すために壁を削る、たぶんそこで実感として、娘の被害を理解できたんだろうな、と。それまでは目を反らしてきたんだろうな、って思いましたよ。そして、極めつけがあの高校教師、ですよ。
やってられんとです。おやっさん、そりゃ、怒りますよ。うええーん。ようやくここでジョージーが感情的に拒絶反応を示す、という理由がわかるわけですが……酷すぎる。うぅ……。同意の上のわきゃないだろう!
<友情>
頼れるお姉さんのグローリー、そんな彼女が弱っていく展開に、そりゃないだろうーーー!とへこみました。豆っこカイルがかわいそうというよりも、もうグローリー自身がどれだけ悔しかったろうと思うと……。だってねえ、彼女は炭坑にジョージーという新しい風が吹き込んできて、もっと良くなるだろうと期待していたと思うんですよっ。
ジョージーもずっと若いから、頼りすぎて八つ当たりをしてしまったりするけど、やっぱり大好きな先輩。そんな彼女に「次は笑って」なんて言える彼女は本当にいい女だ!!うええーん。
<………おい!>
ダンスを踊った君だよ、君!!
なんなんだ、君はーー!!実は一番腹を立ててたのは彼に、だったりします。シェリーを助けたりもしましたが、それは事後のこと。もっと毅然に「やめろ!」と立ち上がればあんな目に合うことはなかったです。それにジョージーにもいい顔をしておきながら、ボビーにどやされると何もできない。
あー、もう、一番嫌いなタイプでした。むかむか。
<色々>
ウッディ忘れてた(笑)いやーまあー、恋愛沙汰、に発展しなくてすごいよかったと思います。爽やかで。しばらくは子供達と過ごして欲しいな、と思いますしね。セクハラのために戦おう!という姿勢じゃなくて「誰もやったことのない案件だから」というスタートは現実感があってよかったです。正義漢が強いというわけでもないのに、やることは最善を尽くす、ほら、あいつとは大違いだ(まだ言う)
あと、シェリー。19歳には見えないけど、彼女はもっともっとつらいと思うんです。だってね、やっぱり若いし、病気のママのために働いてるのかな?って思うし、それでもヒステリックにもならず、適度に迎合してかわす。それでも酷い目にあって、つらかったろうなあ、と胸が痛んで仕方がなかったです。うええ。

●豆的萌えを探せ●
二回見て、ようやくです。豆っこのことを吟味して味合うことができました。色々上とテンションが違いますが、許してください、ニキ様シャールお姉様!

<炭坑の男???>
働いていたはずなのに、一線どころか二線も三線も画している感じがします、炭坑の男達と。まあ、インテリらしいウッディ(役名じゃない・笑)と仲良しだったところを見ると、カイルも優等生だったのかもしれません。グローリーの考えを全面的に支持してるにしても、やっぱり優しすぎる。
んー??
って思いませんでしたか?なんか、こう、女性側に理解がありすぎ、というか……。で、グローリーしかはたらいてないのに、金がある、とか言ったりして、示談は難しい、なんて言ったりして!
……け、経験者??(言っちゃった)
腰か片玉、どちらかが事故だけでない理由だったら、カイル君がかわいそすぎなので、考えません。が、でも、ちょっとうつむきがちな顔の向きに苦悩が見え隠れしてたような気がします。
<スイーティー>
ちっすが、甘かった!かわいかった!!
もー、君はねえ、巨乳ちゃんが好きかもだけどねえ、絶対にキスシーンが甘くてかわいいのは相手が凛々しいはたらくお姉さん、の時なんだからね、いい加減認めて甘えん坊ちゃんになってしまいなさい!と言いたくなりました。
だってトムトマの時とかもそうだったじゃないですか。
にっこりスマイル、ちゅ!の流れですよ。
今回もなんか、こっちまでにへら~ってなっちゃう、かわいいキスシーンに大満足。
<………!>
なんて、なんて、なんて似合わないなんだーーー!革ジャン。
酷い。
酷すぎる。
私だってもっと着こなせるよ、革ジャン、と叫ばずにはいられませんでした。ネルシャツはまあ見慣れればかわいくなってきたんですが、皮ジャンはいただけませんでした。丸い肩してるからかなあ。不思議ー。
<あのう、昔、何が……>
サミーとの会話のシーン。あの言葉すべてに大泣きしていた一回目、ですが二回目見たら、気になって仕方がなくなってしまいました。
・人を憎むのは大変
誰かを憎もうとして、やめた過去があるのか、憎んでつらかったのか。なんか重みのある響きだったんですよね……。
・母親から憎まれるより…
ええと、何か……あったんですか?と思ってしまう台詞。もしかするとママとはうまく行ってなくて、家を飛び出したりしたのかもしれない。本当ならインテリとして大学とか行けたかもだけど、家出したからお金もなく炭坑ではたらくしかなかったのかもしれない。ソレでも何となくどこかで母親からの愛情に飢えていて、グローリーみたいな強い人に、憧れたのかもしれない。
……そんな風に思ったのは私だけじゃないはず!

というわけで、酷い文章ですが、書き殴りレビュー終了。
でも、本当に良い映画に出てくれてよかったなーと心底思いました。

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