Genre:SAS・捕虜:実話
時期柄デリケートな実録映画ですので、深い話の内容には触れない方向でレビューしようと思います。プロジェクトXでこれやったら全然違う撮りかたになるんだろうなーと思いつつ、BBCの演出には脱帽。「HORSE~」っちゅードラマでの豆演出もすげえと思いましたが、たぶん演出の人は豆マニアなんだろうな。と、言うのもマグナブ氏のレポートは豆アンディの存在を知る前から読んでたんですが(賛否両論あれど、これほど詳しくてわかりやすいSASの資料はないかと・・・)、このキャスティングのせいでハードな世界が一転いかがわしくなってます。こ、こんなとこあったっけ?!って思うようなところがいっぱいあって、でもアンディ本人が脚本書いてあるんであってるのかなー…。英語字幕だったので家にいっぱいある英軍資料が役に立ちました(苦笑)
腐女子にも色々あって、絶対痛々しいのはダメ!って方にはお勧めしませんが(てか絶対無理)、そうでない方、ちょっと好きな子ほどいじめちゃいたいあなたにとってはバイブルにも等しいってもんでしょー。ちなみに私も断然後者なもんで、非常に萌えました・・・ありえんよ、だって・・・縛り、拷問、目隠し、さらにそのまま犬食い、水攻め、にご奉仕(語弊あり)ですよ!飴と鞭の繰り返しで弱っていくアンディ・・・ううわーすげー…。台詞覚えるくらい見まくってるんですが(変態)、ナレーションのぼそぼそ言う感じが一番しびれてたりして(苦笑)。つうか極限状態の心理状況の変遷なんかも勉強になるなあとそんな見方もできます。
犬食いしてるときに敵方の責任者がオレンジむいてるんですよ。あー、なんでこれ食べさせるシーンないんかなー残念。軍服むかれちゃうんですけど、その破れ方とかおかしいから!!いっしょにつかまってる人と全然違うから!どうしてひざこぞうだけ見えるのよ(笑)で、何で下着と靴下だけになるのよ!靴下いらんやろ(笑)このあたりの演出が素だったら怖いですな。あと自分抱きしめポーズとか正面からのM字開脚とか・・・その手の漫画を描くときに必要と思われるポーズは全部やってくれてますよ、アンディさん。こぎれいになったとこを想像すれば・・・。私としては看守から無理矢理「I Love you」を言わされたり、デートの約束をさせられたりしてるあの禁断のシーンが・・・正直実話って怖いって思いましたよ。じゃあ妄想の世界の住人の私たちはどうしればいいのよ!って。しかもな、↑このエピソードがいっしょにつかまっていた同僚がタバコを吸ったせいなのよ。そんなイカした同僚。彼こそが豆作品における最高の攻めキャラ、豆キャラに一番愛されている(と思われる)男、そう、彼に対してだけは豆キャラの方がぞっこんラブなんですよ。
その男の名はディンガー。軍隊組織にいながら聖書やシェイクスピアを引用し、常に冷静な判断力、アンディをしっかりとバックアップする男の中の男!かあ~っこいーー!!
爆撃の下、車の中で縛られたまま放置されているとき、後ろ手同士で固く手を握り合うところでドキンとやられました。その後たいがい耐えられなくなって「俺のところに爆弾落とせ~っ」とか叫び出したアンディに合いの手で「今のは間違いだ。」とか言ってみたり…ク、クール~~!でもタバコのためにアンディをさしだしたりしちゃうお茶目なところも(笑)「関係は黙っててやるさ。」ってあんたが知ってちゃ意味ないのよっと思っちゃいました。
なのにアンディはいよいよやばいってところで思い出すのが奥さん(どうやら三人目らしい、そこまでぴったりなキャストでなくても)でなく、ディンガー。しかも超どうでもいい日常(つーかデート)。あ、愛してるのね~~!
そしてみんな保釈されたのに自分だけ残されちゃうのね。(そのときの看守の目が・・・やばかった!)その絶望の中、俺が死んだらこうなるんだろーなーって考えてるんだけど、ディンガー3エピソード、娘1エピソード、妻なし。っていう徹底ぶり(笑)どーしてもディンガーのタバコが嫌いだったらしく(車の中で窓あけたりしてた)最後までそれでした(笑)
助かったときの笑顔が今まで見たことのないタイプの笑いで、うわー…重いなーと思いました。浮かれて、大笑いしてるんですよ。嬉しそうなのは確かなんだけど、それだけじゃないのがその顔で伝わってくるんですよ・・・。はわ~、さすがだ・・・。ラストでどっとやられました。モノローグの妙に乾いた響きがドキュメンタリー映画の醍醐味だと思いました。