Genre:若・美・痴?:コスチューム?:Death
自分の語彙の少なさをこれほど憂えたことはありません。デレク・ジャーマンの作品を見るのは2回目、高校生の時に「ラスト・オブ・イングランド」を見て以来です。当時私はまったくもってこれを理解することができませんでした。確かどこかにビデオが残っていたから今度ちゃんと見てみよう。
しかしショーンをここまで美しく描くのはもはや彼以外にはいないのかと思うともはや悲しい限りですが、ですが。なんというかPJも彼には叶うまい…。PJにはあふれる愛があったんだけど、デレクの場合はまた違う気がします。ショーンの美しさを際だたせるために労力を惜しまない、だけどそこにあるのは愛じゃなくて攻略とか芸術的表現への挑戦のような気がします。ああ、早く「ウォーレクイエム」が見たい!(もちのろんで予約済み)
でもこのいっそ病的な偏執とも思える映像美につきつめられたところにある姿は悲しいです。それはショーンに限らないのですが、この色と光のトーンとささやかな音楽、そしてテンションは限りなく低い。しかし一分一秒とも手を抜いてないんだな…。この光源の使い方は映画じゃない気さえする。映画の中に計算された絵画がつまっているというか。とにもかくにもこれは芸術です!その中に不思議とタイプライタ、バイク、電卓とかありえないものが挿入されてて不思議なんですよねえ。
まずカラヴァッジョのベースにあるセクシャリティとかは後でだんだん明かされて行くんだけど、男色とは言い切れないものも感じます。なんつーか、僕の印象としては色んな愛の形が複雑に絡まっているような気がします。枢機卿とカラヴァッジョ(これは彼がひげオヤジになっても変わってなかった!ただの稚児愛とは違うんだよー)も筋に深くからんでいる気がするなあ。そしてエルサレムとカラヴァッジョです。この二人は完全にプラトニックだと思うんですが、全裸(尻丸出し)で寝ているエルサレムとか見てると彼の方はささやかなアピールをしてるんじゃないのかな?ラヌッチオは別に嫌ってもないし、カラヴァッジョが望む形ならそれでいいと思うんだけど、だけどもう少しこっちを見て?みたいな。
さて、さて、ここからが本題です。ここはショーンたんをあがめ奉るページです。
まずは新聞で作った帽子をかぶった姿での登場シーンです。超…か、かわいい。ええと男娼ってことらしいんですけど、自分の名前が別のテーブルで出た瞬間にちら、ちらっと目をあげるんですよ。な、なんだこの顔は、この目は!
かわいいとかきれいとか、なんてことだ!何と言っていいかわからない。私がカラヴァッジョだったら「そ、そんな目で俺を見ないでくれ!」と逃げ出しちゃうくらいのまなざしです。あきらかに柄が悪いし、下品なんだけど、それなのに魅力的なんだよね。ていうかこれ、どうして18禁じゃないんだろう!
とにかく裸体がやばいです。久しぶりにこんな綺麗な体を見た…。ボクシングをやった後の汗にぬれて光った体、腰の細さ、太股、ああ、太股。エロ過ぎです。
金貨をもぐもぐするシーンは皆様も書いてるんで今更ですが、恐ろしい!この演出が恐ろしいです。
だってあんなんけ金貨を口にれたら唾液とかこぼれるよね、それを見越しているのだとしたら、やっぱり絶対18禁にすべきだと思う。何枚入れるんだと思っていたら口移しかよ!ラヌッチオ、い、いやらしい子!みたいな…。
で、このシーンで四人の関係が回りだした!って気がしました。エルサレムの悲しそうな顔!せ、せつねえ……。
ていうかこの体は何度も言うけど、やばい。筋肉のつきかたといい、バランスといい、やっぱり腰から足にかけてのなめらかさがやばいよ。これで若ボロミアは想像して身もだえました。こんな危険なボディを持つ総大将、絶対無事ではいられません(笑)それに長い指もきれいだと思ってたけど、足もすっげーーーーーきれい。ありえません。いいな、真弓は扁平足なのであこがれます。あのアーチに。
ハンモックプレイはちょっと萌えました(笑)色々想像したので、今度どこかで書いてみたいものです。
にしてもいつかこういう微妙な(苦笑)小説がかけるようになりたいものです。
で、ラブです。これまた微妙なラインなんだよねー。カラヴァッジョが優柔不断とも言い切れず、やっぱりそれぞれ違う愛なんだよね、やっぱりこの人の場合。で、一番セクシャルな関係はラヌッチオとのそれ。エルサレムは親子的、レナには聖母敬愛、って感じだと思いました。
いやーこっからすごいんだよ。自分の血でラヌッチオの顔を汚してキス。これもエロいなあと思ったんだけどその後がずっとすごい。レナにきれられて「まだ寝てない!」って言った時のあの笑顔。この声!白痴っぽくて正直いかれてる顔させたらさすがだなと感心しました。
He Loves Me?
He Loves Me Not?
エルサレムがかわいそうなシーン。彼も足りなげな演技がすっごくうまくて、もう大人なのに、すごく子供っぽくてひたむきなのよー。エルサレムで一番泣けるシーンはラヌッチオがモデルをやってるヨハネの格好して待ってるのかな。
その前にカラヴァッジョがラヌッチオにプロポーズしてたからなおさら。
ナイフを突きつけて、怯えた顔を見た直後にそこにさしてあった指輪をとって薬指に贈るのよ。「愛よ、永遠なれ。」って、なんてエロい、なんてオシャレ。たぶんレナとの関係がうまく行かなくて、でもカラヴァッジョにも惹かれてて、微妙な心境だったところにこれだもん。賢くなくて本能だけのラヌッチオにはどうしていいかわからなかったのかも。だからその後、また別の女抱いてます、この人。で、宝石をまたぱくり。
たぶんね、ショーンをよく知らない人は信じないかもしれないけど、この人の演技力はすごいよ。
カラヴァッジョがレナにドレスを贈って、キスしてるのを見てる時の表情を見たらそう思った。なんだろうあの目は!!にらんでいるわけではないのに、すごいどす黒い感情が渦巻いてて…。レナが好きであんな顔してるのか、カラヴァッジョを取られそうでそんな顔をしているのか。うーん、すごい、すごすぎる。
ラストシーンとかもうなるしかないよね。愛のために、なんていいながら脳みそのなさそうな顔で笑って、で、どこかしたたかで。
で、殺されたことに驚きながらも手はしっかり彼の体にしがみついている。カラヴァッジョの方もそうで、抱きしめてる。血がすごいインパクトあるモチーフで、あのはじめのキスシーンとの対比が鮮やか。
いっやーセクシーだった。あまりに芸術的すぎてはっちゃけた感想はあまり書けなかった。
でもいつか書きたいカラヴァッジョ×ラヌッチオ。寝ちゃった日、みたいなのを。
それをきっとエルサレムは上のベッドから見てるんだよ…。で、しくしくあとで泣いてるの、わー、かわいそう。