◆列車に乗った男◆

ずっと見たかったのに『電車に乗る男』っていうタイトルに勘違いし続けて(勝手に作ってたよ、タイトル)全然見つけられなかったあたいのばかばか!
ていうか、パトリス・ルコント監督には私と似た血が流れているとしか思えません(苦笑)
「タンデム」ですっ転んで以来、一通り見てきましたが、これはまた…かなりやられました。よかった、映画館で見なくて。見てたら、周りに不審がられるほど、泣いていたかもしれません(注・号泣映画ではありません)まず、本題に入る前に上にも書いた「タンデム」昔に見たんですっごいうろ覚えなんですけど、真弓の大好物がそこにはあるんです。ジャン・ロシュフォールが 冴えなくなってきた中年芸人、それでその付き人の……かわいくはないんですが(笑)、まあ、もうこのぐっとせつないロードムービーなわけですよ。おじさん (?)、こういう話弱くって……。
で、あとは「スペシャリスト」。これは潜入捜査員と凄腕銀行強盗のあれこれなんですけど……ここにもこう、ぐっ とくる男同士のやりとりがあり(そうシリアスではありません。むしろアクション!珍しく)、さらにさらに「歓楽通り」と来ると……やられたーと言うしかな いんですよ。こっちは「無償の愛」がテーマで……。ちなみに「髪結いの亭主」大人になってから改めて見ると、好みでした(汗)あはは。たぶん究極のジョン 豆(笑)結末口あんぐり系ですけどねー。

で、この映画ですが。たまらない男の友情が細かく、綿密に、淡々と描かれておりました。まったく 正反対の人生を送ってきた二人の男が偶然薬屋さんで出会う。そこからおしゃべりな(狭心症の手術を控えた)初老の元フランス語教師マネスキエ、無口で人と の関わりあいを持たない、いかにもなアウトロー的雰囲気の銀行強盗ミランのふれあいと友情の三日間がはじまるんです。
こってこてのフランス映画な のに場面が変わると不意に流れる音楽はいわゆるウェスタン。マネスキエはたぶん昔っから西部劇とかに憧れてたんでしょうね。でも敷かれたレールの上を行く 人生に年老いてしまうまで強い疑問をもたなかったのだろう、と思いました。今まで思っていても言えなかったこと、やりたいと思っていてもできっこないと 思っていたこと。
それがミラン、に出会ってすべてに色が入って動き出したような気がしたに違いありません。死の予感が彼につきまとい、はじめは他人を巻き込んだ遺言みたいなのかな、と思っていたんです。
で もこれが違ってたんですよ。ミランはミランで”まともな”生活に憧れていた。部屋履きを貸してくれ、というシーンがもうぐっと来るんですよ。マネスキエは その明るさとおしゃべりがいっそ痛々しくて見てられないのですが、ミランは違う。マネスキエに出会う前は銀行強盗をしても、大げさに言えば人の一人や二人 殺しても、逆に自分が死ぬことになってもかまわない、ような感じ。だけど時間を追うごとにあきらかに「死ぬ」ことを恐れる、というか穏やかさに焦がれるよ うな空気をかもしだします。
で、また、このミラン。優しいんだわ…もう、なんか、うおーーーーって叫びだしたくなる感じ(わかりませんけど?)男 の優しさや思いやりは何もスマイルとハグだけじゃない、って言うのがひしひしと伝わるね。そこらへんがよくわかるものだからマネスキエはいよいよ手術が怖 くなる。抱え込んでいた自分が解放されていくに連れて、この友人との別れがつらいと思えてくる。
うまい、うまいなーーー。
もう、さすがとしか言いようがない。この監督は日本では下手をすると「官能」の分野が強いと言われてるような感じだけど、男同士の友情以上の愛情(恋愛に限らず)を書かせたらそれこそ秀逸です。
もうこんなしょぼいレビューなんか読んでてもダメです(でも書かずにはおれんかった)!
とにかく見てくださいー。
ジョニー・アリディかっこいいから!!

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