あの「アップリンク」
あの「ルパート・エヴァレット」
これで何か起こらないはずはないな、ワトソン君。
と、言うわけで次世代シャーロック・ホームズな(いつから公開なんだろう。むこうで見れるかなあ~)ルパート君の半自叙伝と言うからにはと読み始めてみま した。しかしこれを半自叙伝、と言うならば到底信じられません(笑)だ、だってこれ…すごい、すごすぎる!!でも内面にはこんな独特な世界観があるのかも しれない、むむむ、と思うんですが、何よりいきなりハートをつかむのが少年時代の主人公のシャウト。
「ウェディングドレスが欲しい。ウェディングドレスが欲しいんだあー!」
だよ、これ最高!!なんというか全体的にふわふわ浮ついた、というか妄想と空想と現実の合間でこちゃこちゃ回想が混ざったりして追っかけるのが大変なんだけど、これに尽きると思う(笑)
大 きくなったら有名女優になるのが夢で、演劇学校に通ったり、ブルジョワらしく放蕩にふけったりするんだけど、なぜか(街角で売春・無論男相手しちゃってた りするのに)嫁さんがいて、俳優として一発屋程度には売れたりしていて、まともなところもある。しかしその父ちゃん(ばりばりの保守系ケチな軍人肌)と母 ちゃん(密かに夫への復讐心を持って彼をもてあそんでいるような節あり)と嫁さん(これまたエキセントリック)、友人が入り乱れて来ると案外ライスが一番 まともなんじゃないか?!と最後には思いました。何ていうか、ヤクが切れるとすっごく冷静な自己分析が始まるんだよね。それで落ち込んで行くんだけど…。
しかしこの頃のお話にはすっごく普通にばりばりドラッグが出てくるんですけど(汗)ちょっとびっくりしました。
で、 このライス青年。色んな自分を自分の中に持ってます。人格、と言うわけではなく俳優らしく演じてるんだろうなあ。源氏名みたいのもあるみたいなんだけど 「レディ・ベス・フレイザー」ってのが彼の女優名で、これになってるときは相当のプロフェッショナルさで「レディ」らしく振る舞うことができらしい。あと は「ドリータ」だったり「ランスロット」だったり!!後は人によって多種多様な名前を使いわけるんだけど、格好もすごくって最後にはフルーツプレートをか ぶって練り歩いたり…。いやー、なんかとことんまでカラフルで、今まで知らなかった文化(笑)がいっぱいつまってて楽しかったです!本人がやるにはもう ちょっととうが立ってるので、それこそダンシーちゃんあたりで映画化して欲しいです。
いや、このランスロットありえない解釈で面白いです。夢に毎度自分がランスロットになってるのを見てうなされちゃったりするんです。感想書くの難しいけど、時折現実のつらいとこがばーんと表に出てくる悲哀が何ともかんとも。
今は色々講演とかしてるルパートさんですが、根底にこれ、があると思うと見る目が変わるかも。
本当にこんなお父さんがいたのかなあ…。
挿絵がちょこちょこあるんですが、なんかフレンチでかわいいです。装丁もね!ボンボン!